もの言わぬ人(145)
2007 / 12 / 31 ( Mon ) 一少年が、5コマ漫画に夢を見、浦島太郎になっていく姿自体が、5コマ漫画の格好の題材になるかと思います。
紙面の隅っこ、あまり注目される事もなく、流れすぎていく5コマ漫画の世界と同じで、あっという間の人生でした。 振り返ると、ひかるは小学校入学時、登校拒否児でした。 五歳の時、股関節を痛め、かなりのビッコ、入学時、他の子が運動場一周するにも、半周しか出来ない、ピコタンピコタン状態。 貧しくカッパが買えない、大雨の日、母は蓑かさを着させ、登校させる。途中、ひかるはあまりの格好悪さに気ずき、帰ると脱ぎ捨て、ずぶ濡れで登校。 急に体を冷やしたせいか、下腹部に激痛を感じるが、我慢できずウンチを漏らしてしまう。 ビッコ野郎、ウンチ野郎、といじめられる。 女の子が木切れでつっついて逃げるに、ピコタンピコタン追いつかない。 更に、他の村は、同級生が大勢いたのですが、ひかるの村はたった一人。しこたまいじめ貫かれたのである。 登下校時、他の村の連中が徒党を組み、襲ってくるのではないかと、恐怖を感じ、とうとう言葉を失う、しゃべらなくなったのです。 登校拒否に、母はひかるを抱きしめ「ひかるが学校へ行ないんなら、お母さんは生きていけない・・」と大粒の涙をおとす。 当時、母は貧しく栄養失調ぎみ、三人の子が次々と育たなく他界、ひかるがビッコで学校へも行かない・・本気で死の道を考えていたのであろう。 母の心の内を感じたひかるは、だまって学校へ行くようになったが、いじめは止まず、当然、成績はすべて零点だったが、通信簿は学校の配慮なのか、オール2のアヒルの行進。 しかし、四年の終り頃、勉強もしなかったが、30点、40点が出るようになった。 この、ちょっとだけ成績が良くなった事を、先生が見逃さず、進歩賞なるものを直筆で作り、みんなの前で表彰、褒めてくれたのです。 母に背負われての登校、口を閉ざしたひかるの学校恐怖症、素晴らしい先生との出会い、粋な計らいが自信となり、徐々に心を開いていったのです。 登校拒否やいじめ問題は、このような思いやりのある先生に出会えれば、事なきを得ることでしょう。 筋肉が付き、ビッコも徐々に目立たなくなり、勉強で他のいじめっ子を負かす事が出来る、と悟ったひかるは、必ず一番になる、と猛勉強していったのである。 徐々に慣れて行きましたが、やはり借りてきた猫の如く、もの言わぬ人(オシ)とあだ名され、中学を卒業。 |
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